言語聴覚療法課

言語聴覚士について

言葉や聞こえなどのコミュニケーション面に問題がある方(失語症、構音障害、認知症、高次脳機能障害)や、食べること・飲み込むこと(摂食嚥下障害)に問題がある方に対して、検査・訓練などのサービスを提供する専門職種です。

現在当院では、言語聴覚士17名在籍し、回復期・外来リハビリにて言語聴覚療法を実施しています。また、訪問・通所リハビリも行っており、自立支援を目標に援助させて頂いています。

 

内容や特長など

話す、伝える、聞く、考える、食べる。私たちが自然に行っていることが病気や事故、加齢などの影響で困難をきたすことがあります。自分の気持ちをスムーズに伝えられない、食べたいものが食べられないといった症状があると、その方の心理は私たちの想像以上だと思います。患者さまの心理面に配慮しながら、よりよいコミュニケーション環境の提供、コミュニケーション能力の獲得、また安全に楽しく口から食べられるよう、少しでもお力になれたらと思っています。

 

円滑なコミュニケーションへのこだわり~失語症訓練~

        

うまく意思疎通ができない失語症の患者様に対し、円滑にコミュニケーションがとれるようサポートしていきます。
失語症は、「聞く」「話す」「読む」「書く」これらの4つの言語機能すべてに何らかの障害が起こります。その為、「分かっているけど、言葉に出ない」「言い誤ってしまう」「文字が書けない・書き誤る」といった症状が出てきます。

 

コミュニケーションは、人と人とをつなぐ、大切なものだと考えています。私たちは、個別に言語訓練を行い、言語理解や発話の向上を目指しています。STとのコミュニケーションだけでなく、ご家族、他の患者さま、スタッフと円滑にコミュニケーションが図れるよう援助することが私たちの目標です。

 

はっきりとした言葉へのこだわり~構音訓練~

         

顔面の筋肉・神経(口唇、舌、頬など)に麻痺が生じると、不明瞭で聞き取りにくい発話となります。「呂律がまわらない」 「声が小さくなった・声が出にくい・声がかすれる」「顔面の片側に力が入らない」などの症状が出てきます。顔面の麻痺に対する筋力訓練・顔面筋ストレッチや、発声訓練・発話スピードのコントロールなどを行い、聞き取りやすい発話の獲得を目指します。
 

 

美味しくたべることへのこだわり~嚥下訓練~

         

通常、食物は食道を通り胃へと運ばれますが、嚥下障害の方は食物が気管から肺に侵入し誤嚥してしまい肺炎を起こすことがあります。すると、「ムセが増えた」「痰が増えた・痰がらみの声になった」「微熱が続いている」「飲み込み(ごっくん)が出にくい」などの症状が出てきます。モグモグと咬む力や飲み込む力、咳の強化などの訓練を行いながら、患者さま一人ひとりに合わせた、食物形態の工夫(小さく刻む・トロミをつけるなど)、食事中の姿勢の検討、口腔ケアの指導を行っています。安全に美味しく食事をすることを目指します。

 

最新機器を用いたリハビリテーション

ジェントルスティム

「ジェントルスティム」は、摂食嚥下機能の改善を目的とした機器です。飲み込みが起きにくい方へ干渉波を利用するので、少ない刺激で飲み込みへの反射を誘発し機能の改善が期待できます。

 嚥下造影検(VF)

 

VF検査は、バリウムなどの造影剤を含んだ食事をX線透視下で食べてもらい、透視像を観察しつつ、飲み込みの運動や適切な食事の形態を評価・診断する検査です。誤嚥の有無や、口の動き・喉の動き・食道の動きの観察等に有用であり、最も情報量の多い検査です。

 

 

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